GDPってどんな経済指標?

GDPとは(Gross Domestic Product)の略字で、日本語では「国内総生産」と訳されます。一定の期間に国内で生産されたモノやサービスに支払われたお金の総額であり、国の経済力を分析する時などに使われる統計データのひとつです。

GDPってどうやって計算するの

GDPについて知りたければ、内閣府のホームページに載っています。GDPは政府が計算して発表する統計で、その国の経済的豊かさを量る指標となるのですが、この統計が国際比較として可能なものでなければ、相対的に日本の国が豊かかどうかはわかりません。各国が独自の調査方法でバラバラに計算して「我が国は豊かである」と言っても、あまり信憑性が無いですし、国際的な比較ができません。そこで国際連合は「国民経済計算体系」(SNA: System of National Accounts)をつくり、国際基準のモノサシとしました。このSNAは、世界の実情に合わせて5年ごとに改定されています。内閣府のホームページにも「国民経済計算は、我が国の経済の全体像を、国際比較可能な形で体系的に記録することにより作成する。」とし、その作成基準を国際連合の定める国民経済計算体系に関する基準に準拠した統計にすることが述べられています。http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
政府はGDPを算出するために、国民すべての買い物額を調べているわけではありません。しかし企業の売り上げなどの状況を調べれば、どのぐらいのものが生産され、消費されたかわかります。政府は国税調査をはじめ、実に様々な統計をとっています。実際にGDPの計算をするには、国内で一定期間に生産された額やサービスに支払われた額を単に合計して積み上げていけばよいわけではありません。それでは、二重に計上されたものも一緒に計算してしまう事になってしまいます。
ここでは「付加価値」ということが基準になります。付加価値とは単純に言えば「付加価値 = 売上高−仕入れ額」です。企業が何かを生産して販売する場合、たいてい原料など何かを仕入れてそれで商品やサービスを造り出しますし、また生産するのに何かの部品が必要になる時は、その値段もその売上げに含まれてきます。生産に対する純粋な対価と言えば、仕入れ値の金額と売上げた金額との差額となり、それを「付加価値」といいます。そして、日本国内のすべての企業や個人が造り出した付加価値を合計した金額が、GDPになるのです。これはあくまでも日本で造り出されたものの合計で、輸入品は含まれません。
インターネットを調べてみると、よく小麦とパンの例で説明されています。農家が小麦を生産し、製粉業者はこれを仕入れて工場で小麦粉を作り、パン屋はこれを仕入れてパンを作り、スーパーはこれを仕入れて消費者にパンを販売します。農家以外は、それぞれ小麦粉やパンの販売額には仕入れ値も含まれています。消費者の手にパンが渡るまでの販売額を単に足し合わせていくと、仕入れ値のダブリが生じます。例えば農家が小麦を作って小麦粉製造業者に1000円で卸し、小麦粉製造業者はそれを小麦粉にして1200円でパン屋に売り、パン屋はこの小麦粉でパンを作り1500円でスーパーに売り、スーパーは1700円で消費者に売ったとします。ここでのGDPの計算は「1000円(農家が作り出した利益:1000円)+200円(製粉業者が作り出した利益:1200円−1000円)+300円(パン屋が作り出した利益:1500円−1200円)+200円(スーパーが作り出した利益:1700円−1500円)=1700円」となります。こうして各事業者の付加価値だけを合計すると、最終的な消費者の購入額と一致します。
実際にはGDPはこんなに単純な計算ではなく、もっと様々な要因の積み重ねで計算されます。民間の最終消費以外にも、企業の設備投資や住宅を建てるために使った住宅消費額、作ったけども売らないで残しているものの金額、政府が道路や橋を造ったり国債を発行した時の最終消費額、輸出額から輸入額を引いた差額などを加えて計算されます。こんな複雑で面倒くさい計算をどこがやっているかというと、内閣府の機関であり、内閣府のシンクタンク的な役割を果たす「経済社会総合研究所」というところです。毎日ひたすら数字に囲まれた仕事なのでしょうね。統計作業の他、経済活動や経済政策などに関わる理論研究や実証研究、さらには政策研究を担う人材の育成まで行っているそうです。