GDPってどんな経済指標?

GDPとは(Gross Domestic Product)の略字で、日本語では「国内総生産」と訳されます。一定の期間に国内で生産されたモノやサービスに支払われたお金の総額であり、国の経済力を分析する時などに使われる統計データのひとつです。

実質GDPって?

GDPは金額で表されますが、この金額の数字だけを見ていても、本当の経済の状況や成長率はわかりません。その年のすべてのモノやサービスの金額、所得が一律に2倍になっていたからといって、単純に「その国の経済力は2倍になりました」とは言えません。経済には物価の変動などが大きく影響しているのです。つまり、合計された数字だけを見て前年度に比べて経済活動が活発になり、成長しているとはいえないのです。名目GDPは、生産された量に単純に市場価格をかけて表されたGDPであるのに対し、実質GDPは物価の影響を取り除いたもので表します。したがって、名目GDPが増えても実質GDPが増えなければ、経済活動が大きくなったとは言えない訳です。
単純な例えでいえば、ある国で100円のチョコレートが100枚売れ、50円のビスケットが100枚売れたとしたら、100×100+50×100=15000となり、名目GDPが15000円ということになります。物価の変動もなかった場合は、実質GDPも1500円です(仕入れ値などは考慮しないで計算しています)。次の年に原材料が値上がりしたためにチョコレートは1枚120円で80枚売れました。ビスケットは1枚50円のまま200枚売れたとしたら、120×80+50×200=19600円が名目GDPになります。この年の実質GDPを計算する時は、物価の変動を抜いて考えますから、チョコレートは100×80で計算され、ビスケットは50×200ですので、合計18000円が実質GDPです。この2年間の成長率をみると、名目成長率は(19600−15000)÷15000=約30%ですが、実質成長率は(18000−15000)÷15000=20%となります。
インターネットで調べてみると、1955年から1972年までは名目GDPも実質GDPも順調に伸びているようです。1955年の名目GDPは約8兆円。1972年では約92兆円。約11.5倍の伸び率のように見えます。しかし実質GDPで見ると1955年は約47兆円、1972年は約213兆円です。実質は約4.5倍しか伸びていないという事になります。このように名目だけ見ていても駄目、ということではありますが、モノが生産され、たくさん売れているという状況は、経済の流れとしては悪くない、という見方もあります。
今年の名目GDPが100で一昨年も100だとしたら、成長率は0%ということになります。しかし、この間にもし物価が10%下がっていたとしたら、実質GDPは物価の変動に左右されない数値ですから、実質は10%の成長という事になるのです。給料が昨年と同じに抑えられても「物価も下がっているのだから、実質UPしているのと同じじゃないか」と言われたら、なんだか釈然とはしませんが。政治家が使いそうな言葉のマジックですね。名目GDPを実質GDPで割ったものをGDPデフレーターといい、物価の変動をみることができる指数です。GDPデフレーターの変化率がプラスであればインフレ、マイナスであればデフレとなっていることを表しています。