世界中で活躍するドルを学ぶ

アメリカ合衆国の通貨であり、基軸通貨としても知られている「ドル」ですが、実はオーストラリアや香港など20ヶ国以上の国で自国通貨として使われているなど、世界中で活躍しています。

世界中で活躍するドルを学ぶ

合衆国ドルの歴史

アメリカ合衆国は嘗てイギリスの植民地でした。そこで採用されていた貨幣単位は、イギリスの貨幣単位であるポンドやシリング、ペンスでした。そして当時は本国との貿易の他に、南欧や西インド諸島との貿易が盛んで、取引の決済に使われていたのは主にスペインの通貨である「スペイン・ダレラ銀貨」でした。
中世末期のボヘミア(現在のチェコやポーランドあたり)では良質の銀が豊富に産出され、大型の銀貨が鋳造されました。銀の鉱山の名前から「ターラー銀貨」として広くヨーロッパで流通することになりました。ドイツではこのターラー(ターレル)が貨幣の単位として使われるようになり、これが「ダラー(dollarドル)」の語源だと言われています。「ターラー」はいろいろな国に伝わっていくうちに発音が変わっていき、スペインでは「ダレラ」と発音されるようになりました。こうして貿易などを通じてアメリカにスペイン・ダレラが広く流通し、使われるようになったのです。このダレラを英語で「ダラー」と呼びました。日本では略して「ドル」と呼んでいます。
やがてイギリスの支配を拒否する独立戦争が起こり、1776年にフィラデルフィアでトマス−ジェファソンらが起草した有名な「独立宣言」が採択され、翌年には星条旗も制定されました。その後フランスがアメリカ側について参戦し、1783年のパリ条約で戦争は終結しました。イギリスは降伏し、アメリカの独立を正式に認めたのです。ここにアメリカ合衆国が誕生しました。そして新政府は統一貨幣制度が必要であると考え、植民地時代から親しみのあるスペイン・ダレラ銀貨を基準にした貨幣制度を取り入れたのです。スペイン・ダレラ銀貨の元になったターラー銀貨の質が良く、決済のための通貨として信用があったことから、「良貨である」という意味も込めて「dollar」を正式に自国の通貨単位とすると定めました。
1791年には米国ファーストバンクが最初の中央銀行として紙幣を発行し、1792年にはフィラデルフィアに米国造幣局が設立されました。連邦通貨制度が確立され、1793年には最初のアメリカ貨幣が鋳造されたのです。しかし、その後たくさんの銀行が設立され、それぞれに紙幣を印刷発行したので、たくさんのデザインが生まれて混乱したという事です。ついでに偽造紙幣も容易に作られ、ますます大混乱状態になったとか。
現在は連邦準備銀行が「連邦準備銀行券(ドル紙幣)」を発行しています。連邦準備制度(Federal Reserve System:FRS)が12の地区にある連邦準備銀行を統括しており、日本で言えば日本銀行のような、中央銀行としての役割を果たしています。