世界中で活躍するドルを学ぶ

アメリカ合衆国の通貨であり、基軸通貨としても知られている「ドル」ですが、実はオーストラリアや香港など20ヶ国以上の国で自国通貨として使われているなど、世界中で活躍しています。

世界中で活躍するドルを学ぶ

アメリカ以外の国の通貨としての「ドル」

アメリカ合衆国以外にも「ドル」を自国の通貨としている国は、20ヶ国以上もあります。カナダもアメリカ同様イギリスの植民地でしたから、ポンドが本来の通貨でした。1867年に英連邦内の自治領となり、1931年に事実上独立国家となっています。1850年代には植民地であるカナダとアメリカとの交易が盛んになり、通貨制度をUSドルに基づく10進法の貨幣制度にしたいカナダと、ポンドを主張する本国イギリスとの間で激論が交わされたとのことです。カナダは面積が大きくいくつかの州があり、各州の意見もまちまちだったようで、1871年になってやっとカナダ・ドルに統一されました。
カナダの紙幣は5ドル紙幣(全体的に青いインクで印刷されています)、10ドル紙幣(紫)、20ドル紙幣(緑)、50ドル紙幣(赤)、100ドル紙幣(茶)があります。金額によって色違いになっているのは、わかりやすいですね。硬貨は5セント、10セント、25セント硬貨の他に1ドルと2ドルの硬貨があります。カナダでは2013年2月に1セント硬貨が廃止されました。買い物などで1セント単位の端数が出る場合には、0、5、10の一番近い数字に切り捨て・切り上げされています。
他の国同様カナダでも偽札には頭を悩ませ、2011年から紙幣の素材を「ポリマー」という、オーストラリアで開発された薄いプラスティックに変換しつつあります。このポリマー素材は、カラーコピーの発達などによる偽造の対策として開発されたものです。生産コストが高く高度な技術が必要である、などのことから偽造されにくいという利点もあるようです。紙幣に透明な窓の部分を作ったりホログラフィの加工ができたり、より写実的な表現ができる、耐水性や耐用年数が長いなどの利点から、今では世界でも20ヶ国以上が使用しているようです。
そしてカナダ・ドルにはUSドルとは違い、エリザベス女王の肖像画が採用されています。アメリカは独立戦争でイギリスから独立しましたから当然自国通貨に女王の肖像画なんか採用しないのでしょう。カナダも同じように英国の植民地でしたが、独立後も現在は英連邦の一員であり、英国国王(エリザベス女王)が君主なのですから、主要通貨には女王の肖像画をもってくるのでしょうね。
オーストラリアもイギリス領でしたが、今は英連邦に参加しています。通貨に関しては「ロイヤル」という新通貨を作ろうとしましたが反対が多く、現在はやはり実務的な面から「ドル」です。紙幣は5ドル、10ドル、20ドル、50ドル、100ドルの5種類で、破れたり、劣化しにくいポリマー製です。オーストラリアの紙幣も単価によって色違いになっているので、旅行者でも間違いにくい。5ドル紙幣にエリザベス女王の肖像画が用いられています。補助通貨は5セント、10セント、20セント、50セントの他、金色の1ドル硬貨と2ドル硬貨があります。オーストラリアでも1セント硬貨は存在せず、5セント単位で端数処理されています。
香港は1997年7月1日にイギリスから中華人民共和国に返還され、現在は特別行政区となっています。通貨は香港ドルと香港セントを使用。イギリスの植民地時代に発行されたエリザベス2世女王の横顔入りのコインも、引き続き流通しているようです。発行銀行が3つあることから、紙幣のデザインが複数になっていることに注意が必要です。