ユーロを一から学ぼう

ヨーロッパの地域統合体EUと欧州統一通貨であるユーロについての基礎知識。

ユーロを一から学ぼう

EUの利点

1967年、欧州の経済的な統合をめざして3共同体がひとつとなりEC(欧州共同体)が誕生しました。それを母体として1993年11月1日には欧州連合条約(マーストリヒト条約)発効により欧州連合(The European Union:EU)が誕生しました。そしてさらに数々の議論や試行錯誤の末、2009年以後はそれまでの条約に改定を加えた「リスボン条約」が調印され、今日のEUの基本となっています。EUは単一通貨ユーロを導入する通貨統合をはじめ、政治や外交、安全保障、警察・司法などについても統合・協力しあう共同体となりました。
EU加盟国同士ではパスポートなしに移動が自由です。ただし犯罪者の移動も容易になってしまったことは難点でもありますが。統一通貨であるユーロが導入されて以来は、加盟国であれば国が違っても通貨の交換が不要です。ユーロを持っていれば、フランスへ行ってもドイツへ行っても東欧と言われる国でも、そのままユーロで乗り物に乗ったり買い物することできるようになりました。さらにEU加盟国内のユーロ導入国はひとつの統一通貨を使用しているので、国の間で「円高」「円安」のような為替の変動がなく、混乱や不安がありません。
EU加盟国の企業にとっては、お互いに関税なしで輸出入が可能となり、貿易や経済活動がいままでよりも自由に、経費も少なく対応できるようになりました。またEU外の国は、EU加盟国の各国とそれぞれに個別交渉しないで、対EUとして交渉すればすむことになります。これまでのようにそれぞれの国別の手続きや手数料はいらなくなります。このことは国際商業取引をしやすくし、推し進める原動力になります。またヨーロッパの国々は統合することでアメリカなどの大国と、経済や外交において対等の関係に立つことができるようになりました。
現在のEUの基本となっているリスボン条約の発効にあたり、その時の欧州理事会議長は「27の加盟国は、文学、芸術、言語のいずれも異なる。そして、それぞれの国に多様性がある。多様性は、私たちの財産、発展、力の源である。EUは寛容と尊厳の模範であり、また、そうでなければならない」と述べたと言います。そしてこの言葉は「欧州統合」の基本理念にもなっているのです。